人と人をつなぐ「たすき」となり
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にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和7年6月号(No.67)
【①初耳のハラスメント「マルハラ」】
今まで様々なハラスメントを耳にしましたが、最近、新たに聞いたハラスメントの中に「マルハラ」というものが存在することを知り驚きました。
コミュニケーションツールとしてSNSを使って上司と部下が文章のやり取りをした場合、上司が入力した文章の終わりに句点の「。」が入る。これは文章を作る中で当然だと私は思っていましたが、部下からすると上司から送られてきた文章の最後に「。」で締めくくる文章を見た場合、非常に威圧感や冷たさを感じる表現だと認識するとのことでした。価値観のズレといえば仕方ないかもしれませんが、「なんとまあ(和歌山弁?)生きづらい世の中になった」と驚かざるを得ません。
SNSの機能として文章入力に「。」の句点を入力しようとすると「。」の代わりに絵文字が候補としてあがる機能も中にはあるそうです。確かにプライベートではありますが、高校生である息子とのLINEの文章に「。」は一切ありませんでした。そのような時代の流れを全く知らなかったため、ニュースで知ったときはショックでしたが、部下が「マルハラ」を理由に突然、今流行の退職代行を使って「退職します」となれば、様々なハラスメントを耐え抜いた世代にとって、今の若い世代とのコミュニケーションの維持は本当に難しいと感じます。
そんな私も他人からすればよく笑われるのですが、自身が主張するハラスメントの中に「マヨハラ」があります。マヨネーズが100%嫌いなわけではないですが、飲食店で「マヨネーズ絶対にかけないでください」と先に言っても、そのままかけられていることはよくあります。
中には「マヨネーズが嫌いだなんて信じられないわ」と冗談で無理やり食べさせようとする人もいます。これが上司部下の食事や飲み会で発生するなら間違いなくハラスメントだと私は思います。
いずれにせよ部下が「先輩今のはハラスメントですよ」「いやあすまなかった」とお互いが日頃から気軽に話せる職場環境づくりが何より大事であると感じます。
【②選挙公約(消費税・年金制度改正)】
まもなく7月中には参議院選挙の投開票が行われる予定です。現在、米の価格急上昇による食料品、さらに水道光熱費、ガソリン代などの家計負担が国民にとって大きな関心ごとであり、これから消費税をどう扱っていくかが次の選挙公約の目玉になるかもしれません。また年金制度改正法案は、現時点で不透明かつ今後議論を呼ぶ部分があるため、こちらも次の選挙公約の目玉になるかもしれません。
※年金制度改正法案の内容については、次回お伝えしようと思います。
では消費税についてですが、先日「食料品の消費税は1年間だけゼロにする」と主張する政党もありましたが、これについては「本当に安易な政策だな」と感じました。過去に食品スーパーで勤務していた私からすれば、いわゆる値札=プライスカードの表示問題があるからです。
消費税が導入されてからの商品価格の表示方法については、国が定めるルール、消費者がどう受け取るか、そして他店との比較の中で何度も何度も翻弄されてきた辛い過去の経験が私自身あります。
昔、本体価格の表示のみで良かった時代もありました。しかし息子が小さかったとき体験したように、レジで消費税の分が足らずに買い物が出来ず泣いてしまった(税込表示はあったが数字が小さくて小学生の息子は理解できなかった)ことを思えば現在ルール化されている税込価格の表示はやはり重要だと感じます。
私が食品スーパーに勤務していた頃は、ちょうど表示について税抜表示のみでは駄目とルール変更されたときでした。そして、そこから大変な思いをしたのがプライスカードの貼り替え作業でした。最初は税抜・税込価格両方を表示したいわゆる「二重売価」方式でした。しかし、これを行ったとき消費者から「ややこしい」「紛らわしい」と苦情が寄せられ、次に税込表示に一本化するため再びプライスカードの貼り替えを行いました。
しかし、消費者の感覚として価格の割安感を感じる1円単位の数字が「8」や「9」のため、表示が「153円」や「292円」になると購買意欲に影響が出る、そのため「158円」「299円」とすると「値上げした」という印象が強くなり、結局他店との比較の中で税抜価格を目立つように表示、税込価格を控えめに表示がベストであると、何千種類ものプライスカードを何度も貼り替えるための長時間残業、これは本当に辛かった思い出です。
政治家の方には消費税の問題、年金法改正の問題について、机上の空論ではなく、業務に携わる様々な現場の声を直接聞いたうえで主張して頂きたいです。
~最後までお読み頂きありがとうございました~